海外で病気やケガをすること、そしてそのために病院やクリニックに行く事というのはなかなか心細いものでして、それが渡航間もないころであればなおさらです。
渡米半年の頃、ランニング中に膝を痛めた僕は、当時「留学生の治療費が無料」という夢のように有難い総合病院に通うことになりました。
マサチューセッツ総合病院をはじめとする超優秀な病院が群れを成して建っているボストンですから、しっかりした治療を受けられる事は間違いないのですが、なんつったってまだ滞在半年で、英語も不安ならアメリカの医療システムのことも良く分からない。
なので不安と好奇心が半々な気持ちなのですが、とにかく「英和 / 和英辞典」を片手にいざ病院へGO! となりました。
さて行ってみると「案ずるより産むが易し」とはよく言ったもので、受付け手続きから診察へと思ったよりスムーズに進むのですが、それでもやはり勘違いや英語の意味が分からないこともちらほら。
看護師さんに「X-rayを撮ります」と言われてもそれが何のことだか全くわからず、ポカンとしていると「Picture! Picture!」と笑って言われ、ああ、レントゲンのことか!と。
レントゲンという言葉はドイツ語だったと思いだして、自分でも笑ってしまった。
しかしあのときは、病院のスタッフに明るく親切な対応をする人が多く感じられたことに救われた気持ちがしたものでした。
きっと患者に余計な不安を与えないよう心掛けてくれていたのでしょう。
そんなことから「アメリカの医療関係者は日本よりも患者の精神的なケアの面で進んでいるのかもしれないな」と漠然と感じるようになったのですが、これはどうやらその通りだったようです。
たとえば、そのひとつに「チャイルドケアスペシャリスト」という、治療を受ける子供たちの心のケアを専門とする人たちの存在があります。
日本では「チャイルドライフスペシャリスト」と呼ぶようですが、これは医療現場で子供たちが精神的な不安や苦痛を感じない様にさまざまな面からサポートをする専門家です。
アメリカではこういうお仕事があるんだ!と感動したものでした。
また、病院そのものにも子供たちを気遣った準備などがされている所も多く、例えば骨折をしてギプスをした時には、その上に巻く包帯が青や赤や緑などの多くの色から好きな色を選べるようになっていたり、ご褒美のアイスキャンディーなどが用意されていたり。
考えてみれば、大学にカウンセリングセンターが設けられて、学生たちの精神的なサポートをするようになったのもアメリカの方がずっと先ですし、やはりそういう面では先を行っているのでしょう。
いや、もちろんそうでない人もいますし、個人や機関によって差があるのは言うまでもないことですが。
日本もこれからそういう精神面でのサポートがますます豊かになってゆくでしょうし、そうあって欲しいと感じています。
そういえば、僕自身にもこんな出来事がありました。
数年前、あまりの体調の悪さに耐えられず病院に行ったところ、どうも赤血球の値が低いとのこと。
次々と検査を受け、やがてCTスキャンを、さらにはMRIによる撮影が。
何だか不安なワ、タ、シ 💧👇
その結果、腹部の一部に「液体の溜まった袋」が見つかり、これをエコーで撮影しながら注射器で液体を抜く手術を行うこととなりました。
術後は自分で車の運転をすることは不可!ということで、友人にお迎えを頼んでいざ当日。
難しい治療ではないけれど、やはりデカい注射器をブスっと刺すわけですから、いい気持ちはしません (^^);
やがて無事に終わり、病院のベッドで安静にして待つこと数時間。
看護師が部屋に入ってきました。
「やあ、気分はどうですか?」と尋ねられたあと、僕が担当の患者であることの確認に名前と生年月日を聞かれました。
「19〇〇年、〇〇月〇〇日です」と答えると、
「え?ホント?じゃあ今日は誕生日じゃないですか!」と驚かれてしまって。
そう、その日は僕の五十数回目の誕生日でした。
「誕生日に無事治療が終わって、おめでとー!w」
「ありがとー!w」
するとその看護師、ちょっと部屋を出たと思ったら、こんなものを持って戻って来た👇
「ハッピーバースデー!!」
きゃー!これ僕にですか?w
もうチャイルドではない僕にも、こんなお気遣いを \(^o^)/
治療が無事に終わった安堵感に加えて、この心遣い💖
きっとあれは子供の患者のために用意していたものなのでしょうけど、なんだかとっても嬉しい気持ちになりました。
そのケーキは、そのまま病院内のカフェに持って行き、珈琲と一緒に頂きました。
どうもありがとう!
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