マイナス24度の冬

ボストン生活

僕が初めてボストンに着いたのは遠い昔、ある年の1月10日で、よりによって一年で一番寒い時期。
そこで最初に受けた衝撃は「英語の通じなさ」でも「異文化に対する戸惑い」でもなく、「死ぬほどの寒さ」でした。

もともと寒さには強い方だったので、「まあアメリカの北国ったって、どーってコトねーんじゃねーの!(^^)v 」なんてね、余裕かましていざ到着!となった訳ですが。

いや! いやいやいや!!
これがシャレや冗談では済まない寒さで、到着早々マイナス20度という、その年一番の寒さにお出迎えされてしまって。

到着して三日目には風邪をひいて熱を出してしまった💧

それまで日本では積雪量の多さはともかく、氷点下の気温を体験することはほとんどありませんでしたから、このマイナス20度という外気に身を晒すことは、もう「寒い」というよりも「痛い」「怖い」に近いことを初めて思い知らされました。

街を歩いていても、どんどん体のエネルギーが奪われてゆくのがわかり、たまらずコンビニなんかに飛び込むと顔も体も頭の中もジーーーンとしてしまって、まるでたった今未知の怪物にでも出くわしたかの様な放心状態。
で、しばらく暖をとってからまた出発、と。

昔、エンジンオイルのテレビCMで、「マイナス40度ではバナナで釘が打てます」ってのがあったけど、ボストンでも打てるんじゃないか?とか思う。

ただ、これだけ寒いのに道路が凍結していないのは、雪が降るとすぐに専用の車で塩(塩化ナトリウム)を散布するためで、これが無かったら街中が全部アイススケートリンクになってしまいます。
でも、そのために車のボディーが塩で錆びやすいのが辛いところなんですけどね。

そんな寒い雪の日の通勤風景はこんな感じ。
路面電車にツララがガッチリで、路上の雪はもはや氷に近い。

一方、建物の中は全館暖房が一般的なので、各部屋はもちろん、キッチン、バスルーム、廊下から階段まで暖かくなっているのは実に助かります。
日本でこれが一般的なのは北海道くらいのものでしょうか。
でもこれに一度慣れてしまうと、日本へ一時帰国した時に「廊下や玄関の寒さ」に耐えられなくなったりするのが辛いところ。

僕はある冬の晩に「人生で一番寒い気温」を経験したのですが、その時はもう何を着ようが何をしようが、頭からつま先まで痛いほど寒い!!といった物凄さ。
ふと目にとまった電光掲示板には「マイナス24度」と出ていました。
あれは本当に恐怖の寒さ、でした (^^);

ところが、です。
世の中上には上がいるもので、あのボストンの極寒もシカゴの人に言わせるとまだマシなのだそうですわ、ハイ。
あの巨大なミシガン湖に面したシカゴの寒さは、ボストンのそれを軽く上回る … というんですから。
いやいや、アレでマシって言われちゃったら、もう想像も出来ないんですけどね。

ちなみに、元シカゴ在住の知人は、極寒の日の夜にスーパーマーケットの駐車場で、コチコチに凍結した鳩がゴロンと転がっているのを見たと言います。

普通鳩ってそんなところで死んでないよなあ?
飛んでるうちに凍っちゃったのだろーか。

ボストンは緯度が北海道の札幌とほぼ同じで、気温も大体そのくらい、といったところですが、この気温の低さに加えて、ひと冬に数回は訪れる「ドカ雪」がまた厄介で💦

車は雪に埋まって動かせないわ、歩道が雪の壁になるわ、電車は止まるわ、飛行機は飛ばないわで、日常生活がまともに送れない。
嬉しいことといえば学校が休校になることくらいで。

ある大雪続きの日にラジオを聴いていたら、「屋根の雪下ろし業者の作業料が高額だ」というテーマで話をしていたのですが。
インタビューに答えた業者のオヤジさんは「ここ数日全員フル稼働で作業にあたっていて大変なんです。すでに3人屋根から落っこちてますし」と話していました。
いやー、業者さんも命がけで、ご苦労様です!

この写真は住宅街の様子ですが、大雪の日ってこんな感じになります。
歩道も車道もあったもんじゃないすね 👇

しかし慣れてみると、この位寒かったり大雪が降ったりしないと、なんだか冬を過ごしている気がしなくなるから面白いものです。
ボストンの古い建物と雪って、不思議によく合いますしね。

タイトル下のトップ写真と、この下の写真は、当時の住まいの玄関から写したものですが、こんな誰もいない大雪の夜はたまらなく幻想的で、用もないのに徒歩や車で出かけたりしたものでした。

なんだかんだ言っても、寒くて雪の降る「冬らしい冬」が好きなんでしょうね、僕は。



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