帰宅したら、家具が無い💧

昔の出来事


アメリカ!といってすぐに思い浮かぶ事のひとつに「治安の悪さ」が挙げられますね。
日本のテレビ番組でもアメリカの凶悪犯やハイウェイでの凄まじい逃走劇なんかを紹介してたりしますし。

銃社会だし。
人種や宗教間のトラブルも多いし。
人の国に原爆落としたし(これは関係ない💧)。

でも、実は世の中上には上が(下には下がと言うべきか)ありまして、WHOによる「人口10万人あたりの殺人件数」では194か国中アメリカは93位。
つまりほぼ真ん中。

ちなみに日本は193位。

まあ、こういう数字も各発表により随分違いがありますから、これも絶対なものではありませんが。
しかし日本の感覚で生活していては危ない国であることは間違いなし、です。

幸いに僕は在米中に大きな事件や事故に巻き込まれたことは(ほぼ)ありませんでしたが、それでも周りから色々なトラブルの話はよく聞いたものでした。

そんな話をちょっと思い出したので、今日は少し書いてみましょう。
ただし、あくまでここに書ける程度の「軽いモノ」に限って、ですけど (^^);


窓辺に包丁が一本

これはある日本人の先輩の話。
アパートに帰宅すると部屋が荒らされていて、パソコンや音楽機器などお金になりそうなものが数点盗まれていた。
住まいは5階建てアパートの3階で、犯人はどうやら外壁に取り付けられている非常階段から侵入したらしい。

この非常階段というのは、火災時などに窓から出て地上まで逃げるために設置されているのですが、逆に1階から登ってゆくことも(無理すれば)可能で、そこから入り込まれるケースもあります。

そして侵入してきた窓を見ると、そこにはキッチンに置いてあるはずの包丁が一本。
つまり犯人はまず非常階段を上って窓から侵入し、キッチンで包丁を手にしてから荷物を盗み始めた様で、もし途中で住人が帰ってきたらそれで脅す、あるいは刺すつもりだったのだろうということがわかりました。

「あのときはゾッとしたよ」と話していましたが、そりゃそうでしょう。
犯人が部屋にいる間中、帰宅しなかったことが彼の命を救ったことになります。


彼の場合は本人の身に危険が及ばなかったのでまだ不幸中の幸いでしたが、残念ながらそうはいかなかったケースもありました。

別の知人は、深夜家に押し入って来た数人組に電気コードなどで体をぐるぐる巻きにされて、銀行のカードを盗まれたうえに暗証番号を言わされ、一日に引き出せる上限額いっぱいのお金を盗られてしまうという目にあってしまって。

それでもまだ怪我をさせられる事が無かっただけ良かったのかもしれませんが💦



真夜中の訪問者

よく「日本人は犯罪に対する危機感が足りない」とわれるけど、この言葉は決して大げさではなく、時には「なんでそんな不用心なことを …💧」と思わされることもあって。

ボストンの治安が今よりもっと悪かった頃、その中でもあまり感心しない地域に住んでいた日本人女子の留学生。
ある晩、真夜中にドアをドンドンドンドン!! と凄い勢いで何者かに叩かれたそうで、驚いたことに彼女は何も疑わずにドアを開けたのだといいます。

マジで!? 開けたの!? とビックリする僕らに、その子は、
「え~?でもアタシ~、何もされなかったわ~」とか言ってる始末 (><)

いやいやいやいや💦 あり得ないあり得ない!!
あのエリアに女子が住んでるだけでもどうかと思うのに、夜中の2時だか3時だかにドアをがんがんノックされて「はい、なんですか?」と開けるバカがいるか!

後日それを聞いた口の悪い仲間は、「アイツだから何もされなかったんだよ!普通だったら … (以下書けません)」とまあ、その危機感の無さに怒りを露わにしてたけどw

まあ、何も無くてようございましたね。
次からは気を付けようね。



帰宅したら家具が無い

これはタイトルそのまんまで、日本への夏休みの一時帰国からボストンへ戻って来たら、ステレオ、テレビ、ビデオデッキ、そして家具の一部が部屋から消えていたという事件。

被害者は日本人の女の子で、アパートに一人暮らし。
どうして良いか分からずパニック状態の彼女は、とにかく友達に来てもらい、警察に電話をして、さらに大家さんにも連絡。

しばらくは怖くて友達の家に避難していた彼女だけど、しばらくしてアッサリ犯人が見つかった。

大家でした。

ちょっとしたことからこの男が疑われ、警察に家宅捜査をされると盗まれた品の全てが家の中に設置されて使用されていたという。
本人は「彼女がいない間だけ預かって守ってあげていただけだ」と言い張っていたそうだけど、いうまでもなく嘘1000パーセント。
お縄となりました。

もちろん彼女は即お引越し。
全部戻って来て良かったね!



引っ越したその晩に

ある町から隣りの町へとお引越しをしたAさん。
荷物も多く距離もあるので引っ越し専門業者に来てもらい、大きなトラックで一日がかりの大作業。

やっとのことで全ての作業が終了。
しかし新居の中は家具と段ボールの山また山!だから、その日はホテルに宿泊。

ところが。

翌日新居に行ってみると、2階の部屋に置いておいたステレオが一式無くなっていた。

よく見ると室内の床には、裏口からステレオの置いてある部屋まで複数の靴跡が続いている。
他の何処にも寄らず、まっすぐに、である。

昨日引っ越して来て、今日の出来事だ。
Aさん家族以外で、ステレオがどの部屋のどこに置いてあるのかを知っている人間といえば、他にはいない。

引っ越し業者である。

僕はその話を聞いた時、てっきりその引っ越し業者の会社に連絡をしたか、あるいは警察に通報をしたのだと思ったのだけど、実はAさんはそのまま何もしなかったのだという。

これは考えてみれば理解できることで、会社に連絡なり警察に通報なりをした人物が「どこに住んでいるのか」を相手は知っているのだ。
報復の危険を考えたら、これは危ない。

「泣き寝入りをするのが正しい」といっているのではない。
ところ変われば物事への対処の仕方も変わる、という話である。

僕は「なんで何もしなかったのか?」と聞いた自分の考えの足りなさをちょっと恥じた。


このAさんの件以外にも留守宅を狙われたケースがいくつかあって。
ある夫婦が海外旅行に出かけたとき、空港まで行くタクシーを自宅に呼んだら、その運転手が「今日からこの家はしばらく留守だから」と仲間に伝えて盗みを働かせた、という出来事があった。
その話を聞いた知人は、以来外出時には自宅から少し離れた通りまで出たところにタクシーなりウーバーなりを呼ぶようにしているという。

この話は、自分もこの国に住んでいる以上はそのくらいのリスク管理が必要なのだなと、時々思い出すことがあります。
特にその運送会社のトラックを街中で見かけたときなんかはね。


【続く】



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