修学旅行でボストンへGO!②【小学生編】

ガイド奮闘記

中学生、高校生のボストン修学旅行が「私立校」「公立校」の両方であるのに対して、小学生で来る場合は全て私立校。
公立の小学校が来た、というのはまだ聞いたことがありませんねー。

そしてこの小学校のボストン旅行が、内容も実にバラエティーに富んでいて、中高生のツアーに負けていません!
ボストンを含め、複数の街や州を訪れるツアーが多いのはもちろん、「ホームステイ」「大学の学生寮に滞在」「地元の小学校を訪問」「高齢者施設慰問」と、12歳のちびっこ君たちがこれだけのプログラムを経験できることには、本当にビックリで。

もう一回書くけど、僕の時は「お隣の福島県、会津若松一泊二日」でしたもんw
もう雲泥の差 (^^);

さて、小、中、高校を問わず、ボストンの修学旅行の「人気プログラム」といえば、

*アメリカ独立戦争ゆかりの地巡り
*ボストン美術館
*ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学
*(ボストンにある日米の)企業訪問

などがありますが、
でも、僕が小学生ツアーで一番印象に残っているのが「ホームステイ」。

11歳、12歳のちびっこたちが2人ひと組になって、アメリカ人の家庭に数泊滞在をするのだけど、彼らとホームステイ先の家族が「ご対面」するときなんて、なかなかドラマチックです。
さっきまでギャーギャー元気だったのに、緊張で黙りこくったり、逆に無理に虚勢を張ってみたり (^0^)

 

そうそう、こんなことがありました!

そのときのツアーは郊外の街でホームステイ。
バス2台でその街の小学校に到着し、まもなくアメリカ人の家族がお迎えにやってきて、いよいよホームステイの始まり。

みんな緊張でソワソワし始めたころで、一人の男の子が目についた。
椅子にふんぞり返って、やたらに威勢がいいのだ。

「アメリカなんてのはよぉ、歴史も浅いしなー。日本のがずっと上だからよぉ」
「アメリカ人って繊細なことは分かんないしさー、文化が無いっていうか、そんなモンだよなぁ」
「食うモノなんかもジャンクフードみたいな国だしよぉ、全然大したことないんだよなー」

周りの子たちがわりと神妙にしている中、片手を椅子の背もたれにまわして、一人で誰に言うともなくデカい声で演説をぶっているその姿は、ちょうど「ドラえもん」に出てくる「ジャイアン」そのもの。

ほほー、威勢がいいなあ!と思ったのだけど、どこか虚勢をはっている様にも見える。

さて、これからどうなるのかな … と思って見ていたら、そこにアメリカ人の女性が小さい女の子の手を引いてやって来た。
この人がジャイアン君のホームステイ先のお母さんなのだ。
そしてそのお母さんが、
「 Hi ! Nice to meet you. How are you?
… と挨拶をしたら、

「 …………… 。」

ひざの上に手をおいて、下向いてじーーーーっと固まって、何にも言えないでやんの w

おーーーい!さっきまでの威勢はどこに行っちゃったんだい? (^^)

ジャイアン、そうやって下向いたまま「ドナドナ」みたいに連れて行かれました。

頑張れジャイアン!
夜中にホームシックで泣くなよ!
オネショするなよ!

 

でも、これから始まるホームステイが不安で不安で、泣きそうになっちゃってる子供は他にも結構いる様で。

ひとり、僕にとっても懐いてくれた男の子がいて、彼は僕を「○○ちゃん!」と呼んで慕ってくれていました。
その彼もホストファミリーのお母さんの車に乗って、さあいよいよお家に向けて出発!
すると、急に心細くなったのか、車の窓を開けて「○○ちゃ~ん💧…. 」と僕の名前を呼びながらすでに半泣き。

「大丈夫だよ!みんな良い人だから、2泊3日のホームステイを楽しんでおいで!」と元気づけるも、それでもやっぱり「○○ちゃ~~~ん💧💧… 」
さっきのジャイアン君に負けず、こちらもドナドナ状態w

ホストファミリーのお母さんが「それじゃね!」といって車は出発したのだけど、それでも後部座席の窓から顔を出して、
「○○ちゃ~~ん💧」
「○○ちゃ~~ん💧」
「○○ちゃ~~ん💧」

車が小さくなって消えるまで、こちらを見ていたようでした。

そうやてひとりまたひとりと、ホストファミリーのお迎えで出発してゆくちびっ子たち。
しかし、よーく見ていると、半ベソかいてたりするのはほとんど男の子だった気がします。
女の子の方はわりと平気にしている子が多い様で、僕の眼にはなかなか頼もしく映ったものでした。
「もうちょっと頑張れ男の子!!」って感じ、かな。



さて、もうひとつ、いつも毎回僕が気になっているのが、このちびっ子くんたちにとって「この修学旅行で一番楽しかったのは何だろう?」ということです。

ホームステイかな?
アメリカの小学校を訪問したことかな?
あるいは絵本ミュージアムかな?

ところが、彼らに「何が一番楽しかった?」と聞いてみると、例外なく返って来る答えが、
「ショッピングモールでのお買い物~!!」

あ、そっか!
自分の欲しいものや、日本の家族や友達へのお土産も買ったもんね。そりゃ嬉しかったろうね。

しかし、引率の先生方としては、もうちょっと違った答えを聞いてみたかったりする様でして。
「日本では経験できないことを色々とやってきたのですから、そういったポイントを一番の思い出に挙げてくれたら嬉しいのですがねえ … (笑)」と仰っていたのが印象的でした。

なるほど!先生のお気持ちももっともです。
これだけ大変な思いをして引率に来られているんですし。

でも、僕個人としては、子供たちの正直でハツラツとした意見が聞けて良かった気がします。
僕たちだって子供の頃の修学旅行では「神社仏閣参拝」よりも「旅館の枕投げ」の方が楽しかったって思い出、あるもんね。

これが逆に、
「一番印象に残ったのは、アメリカの高齢者施設訪問です。僕たちはこれからもお年寄りを大切にしてしてゆかなくてはいけないと思いました」
なんて言われちゃったらね、
「ほほ~。キミ、将来政治家だね!(^^);」
とかね、思っちゃいません?



それから、最後にオマケでもうひとつ。

小学生が海外に来るような学校は、やはり授業料も「どエラく高い」私立校に限られていまして、授業料や寄付金などを聞いてみると、これはおいそれとは通える学校ではないな、と驚かされたりします。
だから来ている児童たちも「そういうお家の子供さん」ばかり。

だから、着ているジャケットが高級メーカーのものだったり、「インスタントコーヒーって何ですか? ドリップしか飲んだことないです」なんて言われたり。

ある小学校ツアーでのことです。
そのとき僕は、会社の車を使ってちびっ子たちのお世話に奔走していました。
すると男の子がひとり、トコトコとやって来て「ねえ、ガイドさん、これ日本の車でしょ? 日本からアメリカまで持ってきたのぉ?」と聞いてきます。
僕が「いや、違うよ。これは日本製の車だけど、アメリカで造ってるんだよ!」と答えると、「へぇ~~!」なんて驚いています。

可愛いですよね (^^)

そこでさらに僕が「だからね、この車は日本製だけどハンドルが左側にあるでしょ? でも君のお家の車はハンドルが右側でしょ?」
と言ったら、
「いや、左側だよ。ベンツとBMW」

… あ、そーですか💧 それは失礼しました。


とまあ、いろいろな意味で驚かされることの多い小学生ツアーが僕はけっこう好きでした。

計算してみると、一番最初に担当した児童は、今年でもう25歳。
みんな社会人になっていると思うけど、彼らにとってボストン修学旅行はどんな想い出になっているのかなと、今でもときどき考えたりしています。



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