この「アメリカで運転してみた」シリーズも7回目となりました。
ボストンには長く居ただけに車の運転にまつわる思い出も多く、ネタが尽きませんので、すみませんが今しばらくお付き合いの程を! <(_ _)>
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さて、運転中に残念ながら警察官に捕まってしまった場合、対処の仕方は以下のふたつです。
① 違反を認め、期日内に罰金を支払う。
② 異議申し立てをして、後日裁判所に出向く。
大抵は運転者の落ち度によるケースが多いと思いますが、中には納得のいかない場合もあります。
そういう時には②です!
勇気を出して裁判所にお出かけしましょう。
とゆーわけで、以下に僕の「裁判所の思い出」をいくつかご紹介。
【初めての裁判所】
やはり何事も「初めて」っていうのは緊張するもので、今でもこの時の様子はよく覚えています。
ある真冬の寒い夜、というか夜中のことです。
雪が積もる中を遠くまで出かけた帰り、もうすぐ自宅に着くぞ…という頃にいきなりタイヤが雪で滑ってコントロールを失い、クルクルとスピン。
慌てた僕は「う、うわ~~~~~!」とか言いながらハンドルを切るのだけど、何をどうしようが止まらない。
そのまま幅1メートル、高さ20センチほどの中央分離帯をドカーーーン!と飛び越えて反対車線へすっ飛び、そこでまた1~2回スピンをしてからキュッ!と止まったら….。
目の前にパトカーが停まってた。
そこはコンビニのすぐ横で、おそらく夜食かスナックでも買っていたんでしょう。
僕はてっきり、この不慮の出来事を見た警官が「おい、大丈夫かね?」とか言って様子を気遣ってくれるのかと思ったのだけど、やって来た若い警官が言ったのは「免許所と登録証を見せなさい」だった。
いや、いやいやいや!
アタシは雪のトラブルに見舞われた被害者ですぜ!!
しかし言うことを聞かない訳にはいかず、それらを提示すると、しばらくしてパトカーから戻って来た警官から渡されたのは「スピード違反キップ」。
納得できーーーーん!!!
こんなツルツルに凍りかけた路面でスピードなんか怖くて出せる訳ないし、第一てめーら自分の眼で見てたのなら、あれがスピード違反かどうか分かるだろうが!
翌日、この件を職場で話すと「それなら罰金の小切手を送るのではなく、Appeal(アピール / 異議申し立て)してみたら?」と言われた。
警官の判断に納得できない場合は、その旨を伝えると後日裁判所に出廷する日時が伝えられてくるので、その当日に自分の言い分を主張できる、と。
「え~~~💧裁判所に行くんすかぁ?」と渋る僕に、「結構みんなやってるよ。もし自分の主張が通らなくても刑罰が増えたりはしないし、失うものは何もないから」と教えてくれる仲間。
それじゃあ…..ということで、前日に受け取った違反キップの封筒にその旨を記して投函。
後日出頭となりました。
で、やって来ました裁判所!
こんなところに来るのは は、じ、め、て!の経験で、ちょっと緊張ぎみ (^^);
指定された部屋の前で待つ間、一体どんな会場で、何人の人に囲まれて、どんなことを聞かれるのだろう?と想像を巡らせてみる。
裁判官はテレビで見るようなあの黒いガウンを着ていて、「主文。被告は、云々……」とか言われるのかな?
あ、被告って英語で何ていうんだっけ?
まあ、いっか!なるようになるわ。
ところが、予想に反して、通された部屋はその辺の会社の小さな小さな事務室といった感じで、そこに居るのは普段着の女性がふたり。
「あら?」と拍子抜けする僕に「こちらにかけて下さい」と言い、そのあとにまず最初にやった事は、三人とも右手を挙げて「これより真実のみ述べる事を誓います!」という宣誓でした。
次に女性のひとりが「罪状」っていうんですか? あのとき僕が捕まった理由を読み上げてから、いよいよ僕が自分の主張を話す番に。
僕はあの時に決してスピードは出し過ぎていない事や、雪道でコントロールを失ってスピンしてしまった事、全て不可抗力であった事を、落ち着きを保ちながら伝えてみました。
すると「ではその時は路面が雪で濡れていたのですか?」と聞くので、「いえ、カチカチに凍っていました」と話すと、二人は顔を見合わせて、
「あら~!それじゃあ仕方ないわよねえ!!」と。
で、すべてチャラになりました。
「…. あの、じゃあ無罪ですか?」
「そうよ」
「では警官は何で僕にスピード違反キップを?」
「派手にスピンしたからそう見えたんでしょうね」
なんのこっちゃ💧
そんないい加減な判断をする警官が腹立たしい気持ちと、裁判所員のくだけた対応ぶりに拍子抜けした気持ちと、何よりも無罪になってほっとした気持ちが入り混じって、廊下に出た僕は思わず笑ってしまいました。
まあ、これが僕の「交通裁判初体験」でありました。
罰金も払わず、免許の点数も変わらずで、めでたしめでたし!
しかし、いつもいつもこう上手くゆくとは限らず、その数年後に再び出廷した時には「残念な結果」が待っておりました💦
【続く】
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