スタートしてしばらくは「押すな押すなの大渋滞」で、とにかく人にぶつからないように、そして自分のペースを乱されないようにと歩を進めてゆく。
一体何時間でゴール出来るのか見当もつかないのだから、とにかく目標は「無事にゴールに辿り着くこと」で、焦りは禁物。
てか、焦ったところで元々そんなに早くは走れないしね (^^);
【愉快な応援】
スタート地点から沿道の熱い声援がずーっと続くのだけど、コース沿いに自宅がある人たちは前庭や玄関前にイスやテーブルを用意しての応援で、じつに楽しそう。
中には炭火グリルでバーベキューをやってたりビール飲んでたりする人もいて、すっかりお祭りモードです。
毎年必ず目にするのは、大きな横断幕に「Short cut (近道)⇒」と書いてあり、その矢印が自宅の中を指しているモノ。「まあちょっと寄ってけや!」という冗談ですね。
そしてこれまた毎年恒例の「ロッキーのテーマ」を大音量でかけての応援。
ここでまたやる気がドーンと湧いてきます。
ほかにもディキシージャズバンドやロックバンドによる応援もあり、まあ賑やかなことこの上なし!
また、沿道の人たちはランナーのために水やジュースやフルーツなどを用意していてくれて、我々に手を伸ばして差し出してくれます。だから公式の給水地点でなくても水分補給には困りません。
じつにありがたい!
ちなみにトップ画の写真は給水地点の様子。
長いテーブルの上に水やスポーツドリンク(ゲータレード)が用意されていて、ずーっと後ろのスローランナーたちも飲めるように、遅い時間までスタンバイしていてくれます。
【溜まる疲労、落ちるペース】
始めの数キロは体をほぐすつもりで、割とゆっくりと走ります。
しかし10キロあたりになると早くも疲労が。
どこまで行っても熱い声援は切れることがないのですが、だんだんこちらのスタミナは切れてくる … 💧
沿道の人たちが、僕のシャツの胸に書いてある名前を大声で叫んで「頑張れー!」と励ましてくれるのは本当に嬉しいのですが、だんだんそれに答えるのも辛くなってきて… w
「なんでこんなこと始めちゃったんだろう … 」と少しネガティブな気持ちになったりするのもこのあたりです。
面白いことに、ゼッケンを付けている登録ランナーなのに、僕らより遅い人や、途中で力尽きてリタイヤして専用バスに乗ってガックリうなだれている人もいる。
ボストンマラソンに公式登録するには、他のマラソンで一定以上の記録を出してそれを提出しなくてはならない。
たとえば18歳から34歳のランナーの場合は「男子は3時間5分 / 女子は3時間35分」以内の記録が必要で、現在の僕の年齢でも3時間40分以内。
それだけの記録を持つ公式ランナーたちが途中でバタバタとリタイヤしてゆくのが信じられないのだが、それだけペース配分や当日の体調に左右されるということなのだろう。
リタイアする彼らを尻目に走り続けると「公式ランナーに勝った!」気持ちになって、ちょっと元気が出たりする。
【女子大生の熱い声援!】
レースも中盤の20キロ地点あたりになると、日頃の準備が不足しているランナーたちはガクッとペースが落ちてくる。
背中は丸まり、腰は落ちて、腕はだらりと下がり気味。
その表情からは「キツイわ…」「まだ半分かよ」という気持ちが見て取れる。
ところが!です。
そういうランナーたちも「いきなり元気100倍!猛ダッシュ!!」になるポイントがやって来ます。
それが名門女子大学のウェルズリーカレッジ(Wellesley College)
みなさまご存じのあのヒラリークリントン氏。大統領選にも出馬したあの方の母校でもあるこの大学は、ボストンマラソンのちょうど中間地点に位置していて、ここまでくれば残りはあと半分!でございます。
そして大学前にはもう大勢の女子大生たちがずーーーーーーーーーーーっと何百メートルも応援の人垣を作っていて、その黄色い声の大声援のまあ凄い事!!
その人垣が見えるずーっと前からキャーキャー声だけは聞こえてくるくらいですから。
👆 まあ、コレはちょっと大げさですが (^^);
しかし、プロスポーツ選手やミュージシャンでもない限り、人生においてこれほどの「女の子からの熱い声援」に包まれたことがある人はそうそういないハズです。
だ、か、ら~、ここで面白い変化が見れるんですわ。
今まで死にそうだった連中がいきなり元気になって、背筋はシャキーンと伸び、両腕はキュッと上がり、タッタタッタと走るペースも爆上がり!
気のせいか表情までキリっとして見える始末。
もちろん言うまでもなく、そのほとんどが男性ランナーだから笑えますw
ある僕の友人は、この大学前でほぼ全員の女子大生ひとりひとりと握手しながら人垣を走り切ったところで力尽きてリタイヤしました。
困ったモンだ💧
【続く】
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